生活習慣を改善しよう
塩分を減らし、適度に運動して生活習慣を改善すれば、日本人の死亡原因トップのがんは予防できる−。
国立がんセンターがん予防・検診研究センターの津金昌一郎予防研究部長らが「がん予防8カ条」の指針をまとめた。
世間に数多い予防法の有効性を評価した世界保健機関(WHO)の2003年食事指針などを基に作成した。
「日本人がこれだけは守った方がよい、と思ったものを分かりやすく数値を盛り込んでまとめた」という。
8項目は
(1)禁煙
(2)適度な飲酒
(3)野菜・果物摂取
(4)塩分の最小摂取
(5)運動の継続
(6)標準体重持続
(7)熱い飲食物は最小限
(8)肝炎ウイルスに注意
トップの禁煙は「(これだけで)がんになる確率を三分の二に減らせる最も確実ながん予防法」として推奨。
非喫煙者にも他人の紫煙を吸い込む受動喫煙の危険性に注意するよう呼び掛けた。
「適度」に抑制すべき飲酒の量は「日本酒換算一日一合(ビールで大瓶一本)」以内。
一日に食べる野菜・果物は少なくとも400g。例えば野菜は毎食、果物は毎日である。
胃がん罹患(りかん)の危険度が高い塩分の摂取は1日10g未満。例えば、塩辛や練りウニといった高塩分食品は週に1回以内。
アツアツ飲食物は最小限にする。熱い飲み物は例えば、冷まして飲みたい。
適度な運動は毎日励行。一日60分程度の歩行などと、週一回程度の汗をかく激しい運動が必要で、ともに続けることが重要という。
こうして、太り過ぎ、やせ過ぎを防ぎ、成人期の体重をBMI(体格指数)(体重=キロを身長=メートルの二乗で割った数値)27−20の間に維持する。
最後に、肝臓がんになりやすいB型やC型肝炎ウイルスに感染していないか調べ、感染していれば治療を、していなければ予防に留意する。
同センターが監修した「がんを防ぐための12カ条」を8項目に絞り、分かりやすく数値を入れて、より具体的に生活習慣改善を指導している。
「焦げた部分は食べない」「カビの生えたものに注意」とともに12カ条から消えた「日光に当たり過ぎない」については、「日焼けは皮膚がんになるリスクがある一方、日射量が少なければ消化器がんになりやすいとの報告もあるため」としている。
米ハーバード大の1996年の推計によると、米国人のがん死亡者の発症原因は、食事とたばこがともに30%で最も多く、運動不足(5%)飲酒(3%)と合わせ、生活習慣が実に68%に達した。
それでなくても、日本は塩辛い漬物や塩辛など塩分の摂取量が多い。それが高血圧や胃がんの高率発症、平均寿命伸び悩みの原因とみられる。今回の指針は大いに参考にしたい。
ということです。
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