その時の僕は、死ぬことばかりを考えていました。
事故を起して、呼吸が止まりそうになってから、ずっと
「死にたくない! 助けて!」とずっと言っていたのですけ
ども、救急車の中で目をつむったら、死んでしまうのだろうな
と思って、病院まで運ばれる1時間半は、恐怖でずっと一生懸命
に喋っていたそうです。
けれども、いざ手術が終わり命は取り留めることができたので
すが、手足はまったく動かない。意識が戻って真っ先に頭に浮
かんだことは「僕の人生は終わったんだ...」ということでした。
今まで体育の教員をやっていて、他人に「お願い!」「助けて!」
という言葉を使うことは、力のない弱い人間がすることだという
感覚が強くありました。
ですから自分が首から下が全く動かない状態で、これから生きて
いくということは、ある意味では生き恥をさらして生きていくよ
うなものだと思いました。
もう僕の中では「死んだ方がマシだ」という思いになったの
ですね。でも首から下が動かないじゃないですか。死ぬ方法って
何があると思われますか?
色々あるとは思いますが、首から下が動かないからどれも出来
なくて、最後に出来そうなことは、舌を噛むことだけでした。
でも噛んだら痛かった(笑)。
痛くて血の味がしたのですが、一生懸命に噛みました。
でも、その死にたい気持ちの裏にはどこかで生きていたい
という気持ちがありました。生きていたいけど、生き方が
わからない。
つづく
目の前が真っ暗どころではありませんね。
3日間で終わると思いましたが、1日分が長くなりそうなので、
もうしばらく続けます。
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